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特集

やまなしの木で つくりました。

ちょっと前まで、それはものすごく手間のかかる試みでした。
けれどいまでは、誰もが気楽につき合える家づくりのスタンダードです。
地元の木でわが家を建てる―たったそれだけのことが、頼んだ人も、
頼まれた人も笑顔にする。
そんなふしぎな豊かさに満ちた、幸福な建物をご紹介いたします。

こだわりのダイニングテーブルが出発点

どっしりとした存在感を見せるダイニングテーブル。この住まいを設計する以前から購入が決まっていたものです。ナラ材を使った温かみのあるこのテーブルを、家づくりの中心ととらえました。大壁造りでありながら、ところどころに梁や柱を見え隠れさせたのは、テーブルとの調和を意識したためです。漆喰仕上げの壁面が、テーブル、床材、木製建具の質感と響きあい、室内を穏やかにまとめてくれました。ダイニングから望む木立の眺めも良い、「森の中」にあるかのような木の家です。(設計者談)

【やまなし県産材使用個所:柱(ヒノキ)、梁(スギ)】

自分の手で伐ったヒノキの大黒柱に守られる

建物の中心にそびえる磨き丸太の大黒柱は、住まい手がみずから山に入って伐採したヒノキです。地元の山で育った木が地元の家の材料になる―かつて、当たり前すぎて疑いようもなかった営みが、現代の家づくりでは希少な体験となりつつあります。アカマツのタイコ梁を見上げて育つ毎日は、子供たちにとってかけがえのない日々になることでしょう。(設計者談)

【やまなし県産材使用個所:磨き丸太柱(ヒノキ)、梁(スギ)、吹抜けのタイコ梁(アカマツ)】

 

県産材純度95%以上

土台、柱はヒノキ、梁はアカマツ。構造材の 95% 以上がやまなし県産材という一戸建てです。子供たち 2 人の健やかな成長を願い、ヒノキの大黒柱を 2 本、吹抜け空間に建ちならべました。スギのフローリングを敷いた床は、足裏からやわらかな肌ざわりを伝えてくれます。ダイニングは富士山を“おかず”に食事ができる「富士ビューダイニング」。引戸を多用したフルオープン可能な空間に、きょうも子供たちの笑い声が響いています。(設計者談)

【やまなし県産材使用個所:土台(ヒノキ)、柱(ヒノキ)、梁(アカマツ)】

 

美しい住まいは、共につくることから

柱はヒノキ、梁はスギかアカマツ、床と壁はスギ、ヒノキ、アカマツのなかから選んで使う。これが私の設計スタイルです。樹種の違いはもちろんのこと、太さや大きさによっても印象が異なるので、木を見るたびにさまざまな感興がそそられます。家づくりに際して設計者にできることは、古くからの伝統や生活の知恵を取りいれながら、住まい手に愛される美しい住まいを共につくりあげること。そのために、木のもつ素晴らしさを学びながら、地域の環境についても思いをめぐらせる日々が続いています。(設計者談)

【まなし県産材使用個所:柱(ヒノキ)】

 

ホッとする温かな雰囲気をつくりたい

生後 2 カ月の赤ちゃんから年長さん(6 歳)まで、約 100 名の園児たちが 1 日を過ごす木の園舎です。構造材はすべてやまなし県産材。内装は、園児の安全に配慮して節のないヒノキを使用しました。増築に増築を重ね、つぎはぎだらけだった旧園舎。その建て替えにあたり園長先生が望まれたのは、旧園舎にあった「なんとなくホッとできる温かな雰囲気」、そして無垢の木でした。子供だけでなく、保護者をも笑顔にする木の香で、今日も園内が満たされています。(設計者談)

【やまなし県産材使用個所:柱(ヒノキ)、梁(スギ)、磨き丸太柱(ヒノキ)】

 

無垢材の床を子供たちが裸足で走る

「公立の保育園を木造でつくる」。そんな行政の取り組みに、やまなし県産材を使って精一杯応えたものです。園舎内の保育スタイルは全国的にも珍しい「裸足での生活」。無垢材をふんだんに取り入れた内装は、子供たちの足の裏に心地よさ以上のものを伝えているはずです。構造材(ヒノキ)の 6 割以上は甘利山で育った間伐材。4 寸角のトラス構造を基本に、園舎は7.28 m、遊戯室は 14.56 mの無柱空間を実現しました。木の建物ならではの、やさしい温もりに包まれています。(設計者談)

【やまなし県産材使用個所:柱(ヒノキ)、梁(ヒノキ)】

 

あらわす梁にも、美しい仕上材にも

軽くて柔らか、粘りもあって強靭なスギは、建物の仕上材や構造材として古くから利用されてきました。加工がしやすく身のまわりの日用品にも使われる、私たちにとって最も身近な樹種の一つです。その優しげな木目から、空間にそのまま見せる「あらわし材」としても使えます。やまなしには梁材となる大きなサイズのスギがふんだんに育っています。床や壁、建具といった手で触れる部分に使えば、スギの温かさが直に伝わってくることでしょう。

 

正角で使いたい、構造材のオールラウンダー

耐久性が高く、湿気や虫に強いヒノキは、柱のみならず土台や大引にも使えます。薬剤を注入しなくてもよいので、家族の健康を気づかう人たちにも好まれています。建築用木材としての入手のしやすさ、コストパフォーマンスを考えると、やまなしのヒノキは柱、土台、母屋などに正角として使うのがベスト。大黒柱にすれば贅沢な迫力で家中が満たされます。もちろん仕上材としても最適です。

 

タイコ落しで魅せるなら

昔から、やまなしの家の梁といえばアカマツ。甲州民家にも数多く使われてきました。木の性質上、ねじれや狂いが多いのですが、そのぶん曲げ性能に優れているので梁材として重宝されてきました。「根曲がり」を生かしたり、「タイコ落し」に加工したり …… 頭上に悠然と架け渡せば大きな安心感に包まれます。八ヶ岳や富士山周辺は全国有数のアカマツの美林地帯。カラマツと並んでやまなしが誇る美しい樹種です。

 

スパンを飛ばしたい、ここぞという場面で

ねじれや狂いの多いカラマツは、主に集成材として利用されます。体育館や集会場など、2 ~ 2 間半(3,640 ~ 4,550㎜)以上のスパンを飛ばしたいときは、製材を無理して揃えるより集成材で架構を組んだほうがうまくいくことも多々あります。梁せいや長さは自由自在に。大断面、長尺材にも対応できる頼れる樹種です。